「分からないからこそ学んでいきたい」男性がフェムケア製品の開発に関わるということ(メンバー紹介:松坂厚介)

デリケートゾーンのお悩みに寄り添い、新たな選択肢となるアイテムをつくるコミュニティ「ワタファク」。

ワタファクは小林製薬とランドリーボックスが共同で、15名ほどのメンバーで運営しています。

今回は、ワタファク運営メンバーのひとりで、小林製薬「サラサーティ」の商品開発を担当する松坂厚介さんに、男性がフェムケア製品に携わることの意義について聞いてみます。

どのように女性のお悩みやニーズを汲み取って、商品を開発しているのでしょうか。

ー 松坂さんがサラサーティの開発を担当することになって、最初はどんな気持ちでしたか?

最初は「えっ?男性の自分が務まるかな」と思いました。生理のことも、おりもののことも詳しく知らなかったですし。

ー 学校教育もですが、男性が普通に生活していたら女性特有の悩みを知る機会はほとんどないですよね。

まずはサラサーティを使っていただいているお客様のことを知るために、ユーザーを集めてデプスインタビューをしました。

参加された皆さんはおりものにすごく悩まれていて、自分のおりものを人と比べる機会がないので「自分のおりものに対してどう行動したらいいのかが分からない」と話してくださいました。

インタビューの後、サラサーティはおりものをケアするブランドですが、その枠を超えて「おりものの専門家としておりものに悩む人を助けるブランドにしていこう」というブランドプロミスを掲げました。

そこから意識がガラリと変わって、おりものについて勉強するようになりました。

ー 松坂さんは、分からないことがあったら臆せずどんどん質問しますよね。

商品を開発するためには女性の声を聞かないと絶対にできないし、仮説も立てられないんです。男性には生理の辛さやおりものの不快感はどうしても分からないので、少しでも女性の気持ちを理解するために、分からないことは聞くことを心がけています。

皆さんが自身のお悩みを真剣に話してくださるので、こちらも真摯に受け止めてそのお悩みを解消するものをつくらねば、という気持ちで取り組んでいます。質問に答えていただける環境がありがたいなと思います。

それから、自分自身で体験することも大事です。おりものシートも自分で着けて使用感を確かめたりもします。

ー 先日は生理痛体験もしていましたね。

実は、あの生理痛体験を企画したのは社内の若い男性社員です。その社員が自ら体験して「これは他の男性にも体験してもらいたい」ということで。

実際に体験すると、死ぬほど痛かったです!内臓を掻き回されているような辛さ。ずっとこんな痛みが続くと何もできないと思いました。これを毎月我慢しながら働いている人もいるかもしれません。こういう体験をしなかったら、そういった方たちの気持ちが分からなかったのですごく貴重な体験でした。

生理痛VR体験デバイスを用いた生理痛の疑似体験

ー 理解が深まっていますね。

この体験を中学生の娘に話したんですけど、「それが毎月ランダムに起こるんだよ」、「ずっと同じ痛さだったら慣れてくるかもしれないけど違うんだよ」、「急にきたり、ふとしたときにくるんだよ」と言われました。なめんなと(笑)。

「学校に行けないくらい辛い」という気持ちも、こういう体験をしなかったら分からないままでした。実際に体験してみると「自分だったら休むだろうな…」と思いました。

ー 女性は当たり前すぎて気付かないことも多くあると思うので、知らない立場の人と話をして気付かされることも多々あります。

それって、実は無意識に我慢していることなんじゃないか、という視点が見えてくることはありますね。

お困りごとが多くあるなか、開発者としてできることを1つずつやっていけたらと思います。サラサーティでは、例えばおりもののにおいの悩みに対して「サラサーティClean」を提供しています。

ワタファクを通じて自分も学ばせてもらいながら、ひとつひとつのお悩みに寄り添ったアイテムをみなさんとつくっていけたらと思っています。

ご参加いただき、ぜひご意見をお寄せいただきたいです。

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  1. 妊娠体験はありますが、生理痛体験は新しいですね!!
    学校の授業でも広まって欲しいなぁ(*´-`)
    男性教師や男子生徒に分かってもらえたら嬉しいだろうな。
    大人の社会でもあったら良いけど…、なかなか機会を取り入れるのは難しいだろうから、やっぱり学生の時に体験して欲しい!

    1. いつもコメントありがとうございます^^ 個人的にも、学生のときにこういった機会があると自分ごととして考えられるのかなと思いました。自分も体験して、自分の生理痛と比較してみたいなとも思います(笑)

    1. いつもコメントありがとうございます^^ 実際に経験することで、今までと違う考え方に出会うことがありますよね。個人的にもこういった取り組みが増えるといいなと思っています。