デリケートゾーンの正しいケアは? 洗い方、保湿、おりもの対策(婦人科医監修)

デリケートゾーンをどのようにケアしていますか。

とくに意識せず過ごしている人も多いかもしれませんが、乾燥やニオイ、肌荒れなどデリケートゾーンのお悩みは年齢とともに変化しがちです。

ケアしたいけれど、実際にどうすればいいのかわからないという人も多いのではないでしょうか?

今回は、デリケートゾーンの正しいケア方法について解説します。

デリケートゾーンの正しい洗い方

デリケートゾーンの「におい」の原因の多くは、外陰部(腟の外側)に残った汚れです。キレイに洗い流すことで軽減しますので、丁寧に洗いましょう。

まず、お湯で軽くデリケートゾーンを洗い流したら、デリケートゾーン専用ソープ、弱酸性のボディソープ、石けんなどの泡でアンダーヘアを洗い、お湯ですすぎます。

その次に、デリケートゾーンをやさしく洗っていきます。

ソープを泡立てたら、クリトリスと尿道口を優しく洗います。続いて大陰唇(だいいいんしん)や小陰唇(しょういんしん)を洗っていきます。

小陰唇(しょういんしん)の外側には恥垢(ちこう)という白い垢が溜まりやすいです。ヒダを優しく伸ばして、洗い残しがないよう丁寧に洗いましょう。

そして、腟の入り口、会陰、お尻の穴にかけて洗っていきましょう。お湯ですすいで完了です。

女性器は複雑な形状なので、その構造を理解しておくと、汚れが溜まりやすい場所が把握できるため、洗いやすいです。

デリケートゾーンは粘膜が近く、刺激に弱い場所なので専用ソープや弱酸性のソープの泡で優しく洗いましょう。

一般的なボディソープは洗浄力が強いため、デリケートゾーンに使いすぎると、膣や肌に存在している良い菌まで洗い流してしまう可能性があるほか、刺激が強く感じてしまう可能性があります。

膣内には善玉菌と悪玉菌が存在していて、そのバランスによって自浄作用がはたらき、膣内環境を正常に保っています。膣の中まで洗ってしまうと、そのバランスが崩れておりもの異常やにおいの原因になることがあります。

参考:デリケートゾーンのニオイが気になる。その原因と対策を解説します(医師監修)

デリケートゾーンを洗うときは、膣内は避けて外陰部のみを洗いましょう。このとき過度に洗いすぎないように気をつけてください。

ソープはできるだけ膣のpHに合わせた弱酸性のものを選びましょう。最近はドラッグストアでも、生理用品の棚の近くにデリケートゾーン専用ソープがいくつか並んでいます。

洗ったら保湿しましょう

デリケートゾーンを洗ったあとは、保湿剤で保湿しましょう。

デリケートゾーンを保湿することで、皮膚の乾燥や、下着や生理用品のこすれなどの刺激から皮膚を守ります。VIO脱毛・剃毛後の肌ケアとしても保湿は大切です。

デリケートゾーン専用の保湿剤はジェルタイプやミルクタイプ、泡タイプなどがあります。

顔を洗ったら化粧水や乳液で保湿するのと同じように、デリケートゾーンの乾燥が気になるときは、外陰部の皮膚の保護も大切です。

毎日のお風呂上がり、顔やボディの保湿をする際にデリケートゾーンも保湿すると習慣化しやすいです。

ふだんのおりものケアは?

おりものの量は個人差がありますが、下着の染みやベタつき、ムレ感を不快に感じている人も多いことでしょう。またショーツに付着したおりものを洗うことも手間に感じるかもしれません。

そんな不快感を和らげたい場合は、おりものシートを活用しましょう。

おりものシートは、こまめに取り替えることでデリケートゾーンのムレを防ぎます。トイレにいくたびに交換するのが理想的ですが、日中は少なくとも1~3回取り替えましょう。

おりものシートはコットン100%(表面シートの材質)や、吸収量の多いタイプ、2枚重ねなどさまざまな種類があります。

実はおりものは、膣内のうるおいを保つことで粘膜を守ったり、バイ菌が子宮内に入ってくるのを防ぐ役割があります。排卵期におりものが増えるのは、精子を子宮に届けて、スムーズに受精する役目も。また女性ホルモンの周期や、体調を知らせてくれるサインにもなります。

私たちのからだにとって大切なおりものと、うまく付き合っていくためにも、おりものシートを活用して、心地よく過ごしましょう。

デリケートゾーンに異変を感じたら婦人科へ

デリケートゾーンにできものができたり、かゆみを伴う場合、性感染症の可能性もあります。おりものやデリケートゾーンに異変を感じたら、婦人科を受診しましょう。

注意が必要なおりもののニオイ、色、できものに関する解説は下記の記事を参考にしてみてくださいね。

おりものの量・色・ニオイ、これって正常?(医師監修)

デリケートゾーンに「できもの」が…これは病気?しこりやブツブツの原因と対処法(医師監修)

<監修者プロフィール>
産婦人科医 柴田綾子(淀川キリスト教病院)
2011年群馬大学医学部卒業後、沖縄県立中部病院での初期研修を経て2013年より淀川キリスト教病院に勤務し、2020年より現職。主な著者に『女性の救急外来 ただいま診断中!』(中外医学社,2017)。産婦人科ポケットガイド(金芳堂、2020)。女性診療エッセンス100(日本医事新報社、2021)。明日からできる! ウィメンズヘルスケア マスト&ミニマム(診断と治療社、2022)。

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  1. デリケートゾーンの洗い方をここまで詳しく教えてくれる場所はなかなか無いので勉強になりました!
    デリケートゾーン専用の洗浄剤が必要な理由がよくわかりました。

    1. amoさん、いつもコメントありがとうございます!
      デリケートゾーンの洗い方をくわしく知れる場所ってあまりなかったですよね。

      私自身も知るまでは自己流で洗っていましたが、個人的には「もっと早く知りたかった!」と思いました。専用ソープで洗うようになってから、デリケートゾーンがしみる問題もなくなったように感じます。
      この記事が少しでも参考になったらとても嬉しいです^^