これまでにない使いやすい月経カップを開発する　第1回：ワタファク開発会議レポート

ワタファクでは、デリケートゾーンのお悩みを解決するアイテムを開発するプロジェクトを実施しています。

第1弾は「これまでにない使いやすい月経カップ」の開発。

このプロジェクトは、ワタファクを運営する小林製薬とランドリーボックス、そしてワタファク会員のみなさまとともに、アイデアを出し合って新商品を開発していきます。

11月某日、我こそは！とご応募してくださった18名にご参加いただき、第1回・開発会議を都内で開催しました。

ワタファク開始から初めてのリアルイベントということで、会員のみなさまにお会いできるのを楽しみに準備してきました。当日の模様をレポートします。

月経カップは「未知の世界」？「怖い」「わからない」の声

ご参加くださった18名のうち、月経カップ使用者が9名、未使用者が9名というメンバー構成でグループを分けてディスカッションしました。

月経カップの開発会議に参加してくださっているみなさんは、未使用者の方ももちろん月経カップに興味津々です。それでもなかなかトライできない理由はどんなところにあるのでしょう？それぞれ付箋に書き出してもらいました。

かなり多くの付箋が集まりました。これまで月経カップを使えていない理由が見えてきました。

・選び方や使い方がわからない
・挿入が痛そう
・血を見るのが怖い
・漏れそう
・お手入れが大変そう
・お値段が高い

未使用者からは、そもそもどうやって使えばいいの？や、メーカーやサイズが複数あってどれを選んでいいのかわからないという、とにかく「わからない」というコメントが多くありました。

また「自分が使いこなせるかどうかわからないのに5000円くらいするのは高い」という声も。一方、月経カップを使っている方の中には、ECサイトで2000〜3000円くらいで購入したという人もチラホラいました。月経カップが少しずつ普及する中でお手頃なものも出始めている印象です。

「未知の世界」と表現されている方もいて、実物を見ずに買うにはちょっと抵抗があるというご意見にはみなさん共感されていました。月経カップに手を出しづらい理由がよくわかりました。

「これなら使えそう！」と思える月経カップは？

続いて未使用の方にとって「これなら使えそう」と思える月経カップはどんなものか、付箋に書き出してもらいます。

挿入や周囲に使っている人が少ないこともハードルになっていることから、そんな不安を取り除いてくれるような、あったらいいなのアイデアやご意見が出ました。

月経カップ未経験者が知りたい情報として「サイズの選び方」、「消毒のタイミング」、「カップの折り方」といったご意見に、みなさんが共感されていました。「折って入れる」ということを今回の開発会議で初めて知ったという方もいらっしゃいました。

スタッフが「温泉やプール・サウナで使えるのが便利」と話すと「なるほど〜それはいいかも」の声があがりました（施設のルールが定められている場合もあり）。

スタッフが用意したさまざまな月経カップを実際に触ってみて「これなら入れられそう」、「使ってみたい」と、前向きな意見を交わしました。

月経カップユーザーも「モヤモヤ」している

一方、月経カップ使用者にとっても、ここは微妙だなという「モヤモヤ」ポイントがいくつかあるようです。

月経カップ使用者グループは、使用歴10年以上、8年、5年、2〜3年、数カ月など、長年のユーザーから最近使い始めた人まで幅広い使用歴がある中で、あるある話や失敗談など、みなさんのエピソードで盛り上がりました。

モヤモヤポイントを付箋に書き出してもらったところ、とくに多かった意見は次の2つでした。

1.  手が汚れる問題

着脱時のモヤモヤは多く寄せられました。実際に「月経カップの着脱時に手が汚れてしまう」というお悩みはつきものです。

この課題に対し、ウエットシートを持ち歩く、紙コップやペットボトルで水を持ち込み、簡易的に水洗いしているという意見も。「すぐに洗い流せるようにバスルームで着脱する」という人や「外出時には使用しない」と割り切って使用する日を限定しているという人も。

必ずしも月経カップのみで生理期間を乗り切る必要はなく「多い日だけ」や「無理なく使える日だけ」という考え方もアリなのではないでしょうか。

2. 経血漏れ

月経カップ使用者でも、過去に「経血漏れ」を経験したことがある人が多くいました。漏れの原因のひとつは、月経カップがうまく装着できていなかったり、位置が微妙にズレて「隙間から漏れる」ケース。もうひとつは月経カップに経血がいっぱいになって「溢れて漏れる」ケースがあります。

理想の月経カップは？

では月経カップ使用者にとって、「理想の月経カップ」とはどんなものでしょうか？

「こうだったらいいな」というみなさんの理想を付箋に書き出していただきました。

• 挿入がラクなもの
• 取り出すときに経血がこぼれにくい
• 出し入れのとき手が汚れにくい
• 持ち運びやすい
• 経血がいっぱいになったときにわかりやすい（漏れるリスクが少ない）

参加者のみなさんから、これらを実現させる具体的なアイデアも続々飛び出し、小林製薬の開発メンバーはメモを走らせる手が止まりません。参考になるご意見をありがとうございました！

月経カップのメリットは？

開発会議の終盤では、未使用者と使用者を交えたディスカッションもありました。

未使用者のテーブルであがった「わからないこと／知りたいこと」を、月経カップ使用者のみなさんに質問しました。使用者は「私の場合はこうしているよ」、「私はこうして乗り切った」という経験をシェアしました。

これまでの失敗談も飛び出し、盛り上がったところで「それでも月経カップを使うメリットって、一体なんなのでしょう？」という本質に迫る質問が。

いろいろな苦労がありながらもやっぱり月経カップを使ってよかったという声がほとんどで、そのメリットは「ムレない／かぶれない」、「ニオイが気にならない」、「コスパがいい」、「ゴミが出ない」、「漏れが減った」などのコメントがありました。

そして「快適すぎて生理であることを忘れる」のひとことには、みなさん「へえー！」というリアクション。

使用者のなかにはまだまだ「使いこなせている」と言い切れない人もいますし、使い方やメリットは一人ひとり異なるようでした。

長年月経カップとともに生理を乗り切ってきた人、これから使いたいと思っている人、それぞれが「使いやすい月経カップを作りたい」その思いがより強くなったところで、開発会議はお開きとなりました。

今回集まった声をふまえて、小林製薬の開発チームで試作品の開発に乗り出します。一体どんな月経カップが生まれるのか。これからの展開を楽しみにお待ちください。

みなさんの「こんな月経カップがあったらいいな」やデリケートゾーンのお悩みなど、ぜひコメント欄にお寄せください。